【11冊目】失ったのは妻か娘か、感涙必至のSFフィクション~「秘密」の感想~
こんにちは、えばです(^^♪
1か月読書チャレンジ継続中です。
今回は東野圭吾の大人気作「秘密」です。
じつはこの本は中学生くらいの頃に一回読んだことがあって、初めて小説で衝撃を受けた作品でした。
本の紹介
価格:836円 |
著者:東野圭吾
出版:文春文庫
あらすじ
自動車部品の生産工場に勤める杉田平介は妻・直子と娘・藻奈美とともに平和な生活を送っていた。ある日実家の告別式のために直子と藻奈美は長野へ帰るが、その途中乗っていたバスが崖から転落事故を起こしてしまう。
その事故で娘をかばって直子は命を落としてしまうが、藻奈美は一命をとりとめる。しかし意識を取り戻した藻奈美の体にはなぜか直子の意識が宿っていた…。
平介と娘の体に宿る直子二人の奇妙な生活が始まる。次第にギクシャクする二人の仲、バス転落事故の真実、平介が下す決意とその後に起こる変化。家族とは何か、夫とは、妻とは。そしてタイトルに隠された秘密の意味━。
感想
昔読んでいたこともあって内容はそれなりに覚えていましたが、今読み直すとまた違った感動がありましたね。
作品は常に平介目線で語られます。
見た目は娘、中身は妻。世間体を守るために直子は藻奈美として振舞いますが、中身が直子だと知る平介の心情を思うとつらすぎます。
若い娘の体の直子は生き生きと学生生活を送り、青春を取り戻し、若い男に思いを寄せられることもあります。
一方で平介はそんな直子に嫉妬してしまう、けれども体は娘だから性行為もできない。次第に束縛が激しくなり、自己嫌悪に陥ります。直子もその気持ちを理解しているからこそ悩みます。
こんなにも心をかき乱してくる作品はなかなかないと思います。
読み終わった後に色んな感情が押し寄せてなんとも言えない気持ちになりました。
それほどにこの物語は素晴らしい作品だと断言できます。
ぜひ読んで、その感動を確かめてみてください。
では、12冊目でお会いしましょう
えばでした(^^♪