【4冊目】ラストは涙必至!血の繋がらないたくさんの親に愛され育った少女~「そしてバトンは渡された」の感想~
こんにちは、えばです(^^♪
1か月読書チャレンジをしています。
今回は2019年本屋大賞受賞の「そしてバトンは渡された」です。
本屋大賞はやっぱり面白い!と前回「舟を編む」を読んで味を占めてしまったので、今回も期待が高まります。
前回の「舟を編む」の感想はこちらから
本の紹介
そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ【1000円以上送料無料】 価格:814円 |
著者:瀬尾まいこ
出版社:文春文庫
2019年本屋大賞受賞作
あらすじ
幼少期に母を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ継母と暮らすことを選んだ主人公・優子。その後幾度も親が変わり家庭環境の変化に戸惑いながらも順応していく。血のつながらない親の間をリレーされながらも出会う家族皆に愛情を注がれ、やがて彼女自身が家族を持つとき━━。
感想
複雑な家庭環境が「かわいそう」という偏見
冒頭からザクっと胸に刺さってしまいました。
主人公・優子が学校の担任の先生に「困ったこと、つらいことは話さなきゃわからないよ」と言われ、本当に困ったこともつらいこともないことに悩んでるという描写。
複雑な家庭環境というだけで周りの大人にかわいそうな子だと決めつけられてしまう歯痒さ。
いつもマジョリティはマイノリティをどこか下に見るというか、ときに同情の目を向けがちだけれども、そんなの他人が勝手にレッテルを張って判断できるようなことじゃないなんて少し考えればわかることなんですよね。
でも、じゃあこの子はどういう環境で育ってきたんだろうって先が気になってしまうのも本心。なんだか上手いこと心理につけこまれた感があるなあ。
あと、どこかずれてるけど優子ちゃんが大好きな森宮さんがかわいい( *´艸`)
主人公の家庭環境の変遷
小説は2章に分かれていています。第1章では主人公優子は現在高校生で20しか離れていない血の繋がらない父親・森宮と暮らしており、その現在から過去を回想する形で優子の過去が明かされていきます。
それぞれの期間で印象的な出来事があって現在はつらいことはなど無いという主人公だけれども、家庭が変わるたびにそれなりの苦労や葛藤があったことが伺えます。
それでもどうにか自分の心と折り合いをつけて順応する優子がけなげで愛おしい;つД`)
あと、作品を通して「ごはん」のシーンがとても多いです。
朝ごはんだったり晩ごはんだったりが家庭の変化の象徴として扱われたり、それぞれの親との距離感を表していたりと
食事というものを通して家族の形を表現している、そんな印象を受けました。
読んでてわりとお腹がすきます(・_・;)
「優子」という人間について
美人だけどもさばさばしていて打たれ強い性格、という感じに描かれる主人公。
とてもカッコイイけども、そんな性格も過去に裏付けられたもののよう。
実の父と別れるときに経験したとある出来事が原因で、自分の人生を一歩引いた視点で見るようになったんじゃないだろうか。
その後のどの親との接し方を見ても、優子はめっちゃいい子なんです。
育ててくれる人への思いやりというか、
こんな転がり込んできた余所者を育ててくれることに比べれば、自分が感じている苦労や悩みなんてちっぽけなものだ
そんな風にとらえているのです。
それゆえに親にわがままや迷惑をかけることを極端に嫌う、というかできないんですね。
その点親の立場になると、たとえ血がつながってなくても甘えてほしい、頼ってほしいという感情がありぎくしゃくしてしまう。
難しいけど双方の思いやりや愛情がうまくかみ合わないもどかしさもこの小説の見どころだと思います。
まとめ
ながながと書いてきましたが、読む人によって感想は違ってくるので
少しでも気になった方はぜひ読んでみてください。
改めて思ったのは、本屋大賞受賞作はやっぱり面白い!
本屋大賞にハズレなし!
ほかにも読んだらどんどん紹介していきます!
それでは5冊目でお会いしましょう。
えばでした(^^♪